「これで良し」



は例の日のために何かを作っていた。



「喜んでくれると良いんだけどな」



そう言って、イギリスの青い空を見上げた。






〜誕生日〜






7月31日午前1時半。ハリーの誕生日。13歳になってから1時間半経っていた。

ハリーは、静かな夜に自分の部屋で親友達からの誕生日プレゼントを開けていた。
しかし、1人の親友からのプレゼントがまだない。



(約束したのにな・・・)



少しショックを受けたが、その親友の笑顔を思い出すと少し顔を赤らめた。



コツコツ---



ハリーがその間ボーッとしていると窓を叩く音がした。
窓を見てみると、少女が箒に乗り、ハリーに手を振っていた。

!?」

小声でその少女の名を呼び、窓に駆け寄った。

「やっほーハリー」

と呼ばれた少女は、ハリーに窓を開けてもらい部屋に入った。

「どうしたの!?こんな時間に」

ハリーは、この家の住人に気づかれないように、ビックリしながらも小声で聞いた。

「ふふ・・・びっくりした?」

ハリーが小声で話したので、も小声で返した。
ハリーの家庭事情は、よく分かっていた。

「びっくりしたもなにも・・・まったく」

ハリーは、部屋が暗くて良かったと思った。
何故なら、顔が赤くなるのを感じたからだ。

「まっ、驚かすために来たんだし」

「そんじゃ、上へ行こうか」

軽くウィンクをして、窓を指す。

「えっ?上って」

の言葉が分からなくて、ハリーが聞いた。

「上よ。屋根。・・・まぁ、来てのお楽しみ」

そう言って、ハリーの手を引っぱり箒に乗り屋根に上った。






「ハリー寒くない?」

安定した場所に2人が座り、が持っていた袋から
何かを探している時にハリーに聞いた。

「あっ、うん大丈夫」

むしろ熱い方だった。

「これから何するの?」

が何か組み立てているのを見て
不思議に思ったハリー。

「まぁ、もうちょっと待って。・・・・・・・・・・・・・よっし」

筒のような物をセットし終わったは、次に杖を取り出し軽く振った。

すると、透明で大きなバリアが屋根を囲った。

「本当は、時間道りにやりたかったんだけどね」

苦笑しながらマッチを取りだす。



(魔法でつけろよ)



そして、筒から出ている紐に火をつけた。

「カウント行きまーす!ハリーしっかり上見ててね」

ハリーに向かってニッコリ微笑みカウントし始めた。
ハリーは、の笑顔に見とれていたが(マテ)慌てて空を見上げた。



3・・・2・・・1・・・



ドーン!!!



すごい爆発音とともに空に光が満ち溢れた。
そう・・・それは花火のように・・・。

その光が動き出し文字を作った。
その言葉を見たハリーは、涙が出そうになった。




-Happy Brthiday Harry!-




ありがとう!こんなプレゼント初めてだ!」

「いえいえvあっ、まだ続きがあるわよ」

そう言って、はもう一度空を見上げた。
それに続いてハリーも空を見上げる。

メッセージが、だんだん薄くなり光が消えた。
そして次の瞬間、強い光がはなたれ、流れ星が雨のように降ってきた。

「うわ・・・すごい!」

ハリーは言葉が出なかった。ただただ驚いていた。

流れ星が振る中、はハリーに包み箱を渡した。

「本当はこのプレゼントだけでも良かったんだけどね。
やっぱり思い出に残るものが良いかなぁ〜って思ったんだ」

照れながら言うにハリーは赤くなりながらお礼を言った。

「すっごく素敵な思い出になったよ!」

「そう言ってもらえると作ったかいがあったわ」

少しの間流れ星を見ているとふっとハリーが質問した。

「そういえば・・・こんだけハデにやっておいてマグルが気づいてないけど・・・なんで?」

ハリーは下を見た。こんな流れ星が降っているのにプリペット道りは、暗く静かだった。

「あぁ・・・それはね〜さっき透明なバリアが見えたでしょ?
あれのおかげで外にもれないようになってるの」

は、ハリーに説明した。



「そうだ、ホグワーツから手紙来たでしょ?ホグズミード行けそう?」

「あっ・・・うん。でも・・・あのマグルがそう簡単に許可くれるかな?」

「そっか。まぁ、頑張って許可取って、一緒にホグズミード行こうね」

「うん」

ハリーが答えると同時に流れ星がやんだ。
とハリーの周りは、また暗くなった。



「さて・・・そろそろおいとましますか」

よいしょっと立ち上がりは箒を掴んだ。
プレゼントの筒もバリアも、すでに消えていた。

「何かあったら漏れ鍋に泊まっているから。夏休みの間は、
そこにいるつもりだから。それじゃ、良い夏休みを☆」

ハリーを箒で部屋まで送り、最後に言った。

「うん。今日はありがとう」

「じゃね」

手を振りながらは箒に乗り暗闇へ消えていった。

が帰った後、しばらくの間ハリーはが行った外を眺めていた。




・・・・プレゼントの箱を握りしめて・・・・






漏れ鍋に着いたは、ふと、貼り紙に目をやり足を止めた。



-ブラック今だ逃亡中-



記事の上には、もつれた長い髪の頬のこけた男の写真があった。



「・・・・・・バカ・・・・・・」



今にもなきそうな顔をして1人小さく呟いた。






つづく



















◆後書き◆
いよいよアズカバン編突入ー☆
あれ・・・ハリー相手のやつだっけコレ?(笑)












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